32. 付録

32.1. 数学的表現

QCadは 'fparser' と呼ばれる数学表現解析プログラムで動いています。 この構文解析プログラムはJuha Nieminen氏の 「Warp」によって書かれました。実数を入力できる欄では構文解析プログラムで認識できるどんな表現でも入力することが できます。 こうすれば手もとにいつも強力な計算機を持っていることになります。 サポートされた定数 pi

3.14159265 サポートされた機能

下の表は構文解析プログラムでサポートされた機能の一覧です。 また’fparser’の元文書から同じ表を見つけることができます。 abs(A)

Aの絶対値。 acos(A) Aの逆余弦。余弦がAである角度を度単位で返します。 acosh(A) acos()と同じですが双曲線余弦に対する角度です。 asin(A) Aの逆正弦。正弦がAである角度を度単位で返します。 asinh(A) asin()と同じですが双曲線正弦に対する角度を返します。 atan(A) Aの逆正接。正接がAである角度を度単位で返します。 atan2(A,B) A/Bの逆正接。 atan()関数との主な二つの違いは、AとBの符号に依存しますが戻り値が正の数なら x 軸から反時計回りの角度を表し、負の数なら x 軸から時計回りの角度を表し、atan()は-pi/2からpi/2の間の値を返しますが-pi/2と pi/2の値も返せます。 atanh(A) atan()と同じですが双曲線正接に対する角度を返します。 ceil(A) Aの上限。Aより大きな最小の整数を返します。Aの少数部を切り上げた整数。 cos(A) Aの余弦。角度A(度単位)の余弦を返します。 cosh(A) cos()と同じですが双曲線余弦に対するものです。 cot(A) Aの余接(1/tan(A)と同等)。 csc(A) Aの余割(1/sin(A)と同等)。 eval(...) これは評価される関数への再帰呼出しです。 引き数の数は呼び出される関数の引数の数と一致する必要があります。 通常、関数内部の無限回帰を避けるためのif文が呼ばれます。 exp(A) Aの指数。e を底とするAのべき乗を返します。すなわち累乗されない値はおおよそ2.71828182846 です。 floor(A) Aの下限。Aより小さい最大の整数を返します。少数部分を切捨てた整数。 if(A,B,C) int(A)が0と異なれば、この関数はBを、他はCを返します。 評価される必要のある引数だけ評価され、他の引数は飛ばされます。 これはeval()の使用を安全にします。 int(a) Aに最も近い整数。 0.5は1に四捨五入されます。 log(A) Aの自然対数(基底e)。 log10 (a) Aの対数(基底10)。 max(A,B) A>Bなら、結果A、他はB。 min(A,B) A<Bなら、結果A、他はB。 sec(A) Aの正割(1/cos(A)と同等)。 sin(A) Aの正弦。角度A(度単位)の正弦を返します。 sinh(A) sin()と同じですが双曲線正弦。 sqrt(A) Aの平方根。平方してAとなる値を返します。 tan(A) Aの正接。角度A(度単位)の正接を返します。 tanh(A) tan()と同じですが双曲線正接です。

32.2. 字体

QCadは色々な字体を使えます。 これらの字体はCADアプリケーションで使用するために特別に設計されています。

図 73: Courier 図 74: Cursive 図 75: Cyrilc2 図 76: Cyrillic 図 77: Cyrillic_ol 図 78: Gothgbt 図 79: Gothgrt 図 80: Gothitt 図 81: Greek_ol 図 82: Greekc 図 83: Greekcs 図 84: Greekp 図 85: Greeks 図 86: Iso8859-11 図 87: Italicc 図 88: Italiccs 図 89: Italict 図 90: Kochigothic 図 91: Kochimincho 図 92: Normal 図 93: Normallatin1 図 94: Normallatin2 図 95: Romanc 図 96: Romancs 図 97: Romand 図 98: Romanp 図 99: Romans 図 100: Romans2 図 101: Romant 図 102: Scriptc 図 103: Scripts 図 104: Standard 図 105: Symbol 図 106: Symbol_astro 図 107: Symbol_misc1 図 108: Symbol_misc2 図 109: Unicode

32.3. ホットキー

これはコマンドを効率的に呼び出して使用することができるすべてのホットキー一覧です。 コマンドラインにキーボードフォーカスがなければ以下の2、3文字の組合せを入力することができます。 2文字の組合せは最大2秒以内にタイプされなければなりません。 2文字の組合せをタイプミスした場合はエスケープキーを押すか、2秒たつのを待って再度タイプします。

1つ以上のキーの組合せのあるコマンドがあります。 これは他のプログラムとの互換性を考慮した結果です。

下記に記載されているホットキーの組合せに加えダイアログでも標準的なキー操作が使用されます。 WindowsおよびUnixのオペレーティングシステムでは、ボタンを押すかわりに、Altキーと何か一文字を組み合わせる(例えばOKにはALT- O)といった使い方ができます。 Mac OS Xを使用していればこれはOption-OまたはALT-Oであるかもしれません。それは使っているキーボードの種類に依存します。 コマンドライン

Space コマンドラインを使用状態にします

Escape コマンドライン非活動状態にする、操作を1つの前のステップ戻す、または無操作状態なら主メニューを表示します。 Arrow Up / Down 直前のlコマンド入力を呼び出します Tab すべての現在利用できるコマンドを示すか、または最初の文字列を補完して完全なコマンド名にします ファイル操作

Ctrl-N 新規図面作成

Ctrl-O 既存図面を開く Ctrl-S 図面の保存 Ctrl-W 現在の図面を閉じる Ctrl-P 現在の図面を印刷 Ctrl-Q アプリケーション終了 基本的な編集

oo、Ctrl-Z 取消(oops)

uu, Ctrl-Shift-Z やり直し Ctrl-X 切り取り Ctrl-C 複写 Ctrl-P 貼り付け 表示

rd 再描画

zw 窓指定ズーム za 自動ズーム zi、+ 拡大 zo、- 縮小 zp 移動ズーム zv 直前の表示 画層操作

fr* 全画層非表示

th* 全画層表示 スナップ

os 任意位置

sg グリッドへのスナップ se 端点へのスナップ sn、sc
中心へのスナップ
sm 中点へのスナップ si 交点へのスナップ np 図形上の近傍点へのスナップ 作図

po 点

li
連続線
la
角度指定線分
pa、of
平行線分
re
矩形
rp 中心およびコーナー指定の多角形 ci
c2 2点指示円 c3 3点指示円 ar 円弧 a3 3点指示円弧 ep
楕円
tx、mt テキスト 寸法記入

da 並列寸法

dh 水平寸法 dv 垂直寸法 dr
線形寸法
ld 引き出し線 図形選択

tn、Ctrl-K 全図形の選択解除

Ctrl-A 全図形を選択 変更

ch

角落とし(C)
rn
角落し(R)
di 分割 rm、xt 部分削除/拡張 tm 二図形要素の部分削除 mv 移動 mi ミラー ro
回転
sz スケール ss 伸張 pr
図形のプロパティ
at 図形の属性
er 削除 xp, ex 分解

32.4. 使用できる用紙形式

図面印刷のときに縮尺を決めるために用紙形式は要求されます。 この章はサポートされた用紙種別のサイズ(幅、高さ)をミリメートルで一覧にしています。 メートル(iso)

A0: 841.0 x 1189.0 A1: 594.0 x 841.0 A2: 420.0 x 594.0 A3: 297.0 x 420.0 A4: 210.0 x 297.0 A5: 148.0 x 210.0 A6: 105.0 x 148.0 A7: 74.0 x 105.0 A8: 52.0 x 74.0 A9: 37.0 x 52.0 A10: 26.0 x 37.0 B0: 1000.0 x 1414.0 B1: 707.0 x 1000.0 B2: 500.0 x 707.0 B3: 353.0 x 500.0 B4: 250.0 x 353.0 B5: 176.0 x 250.0 B6: 125.0 x 176.0 B7: 88.0 x 125.0 B8: 62.0 x 88.0 B9: 44.0 x 62.0 B10: 31.0 x 44.0

他のフォーマット

Letter: 215.9 x 279.4 Legal: 215.9 x 355.6 Executive: 190.5 x 254.0 C5E: 163.0 x 229.0 Comm10: 105.0 x 241.0 DLE: 110.0 x 220.0 Folio: 210.0 x 330.0 Ledger: 432.0 x 279.0 Tabloid: 279.0 x 432.0

32.5. パターン

図 110: Angle 図 111: Ansi31 図 112: Ar-b816 図 113: Ar-b816c 図 114: Ar-b88 図 115: Ar-brelm 図 116: Ar-brstd 図 117: Ar-conc 図 118: Ar-hbone 図 119: Ar-parq1 図 120: Ar-roof 図 121: Ar-rshke 図 122: Box 図 123: Brick 図 124: Brstone 図 125: Clay 図 126: Concrete 図 127: Cross 図 128: Dolmit 図 129: Earth 図 130: Escher 図 131: Flex 図 132: Grass 図 133: Grass_b 図 132: Hex 図 135: Hexagon_a 図 136: Hexagon_b 図 137: Honeycomb 図 138: Hound 図 139: iso03w100 図 140: Iso03w100a 図 141: Paisley 図 142: Pantagon_a 図 143: Pantagon_b 図 144: Plastic 図 145: Sacncr 図 146: Sand 図 147: Square 図 148: Triangle_a 図 149: Triangle_b

32.6. QCad 1からの移行

この章はQCad 1からQCad2へ移行するとき知られている問題を列記し、QCad 1からQCad 2へ図面を変換する時の助けとなるでしょう。

DXFの互換性

QCad 1で作成されたDXFの図面を開くとき寸法、ハッチおよびテキストで問題を経験するかもしれません。 これはQCad 1が作成したDXFの形式が規格準拠100%ではないからです。 QCad 1のDXFファイル図面を、ファイルを開くダイアログでフォーマットを図150で示されているように「QCad 1.x file (*.dxf *.DXF)」に変えて開くことでQCad2に取り込むことができます。 図150: QCad 1の図面うを開く。 円形にされたテキストは他のプログラムとの互換性を取るためにQCad 2でもサポートされていません。 QCad 1のテキスト図形を単一の要素に分解することで円形にされたテキストを取り込むことができます。

画層操作

QCad 1の画層属性変更は既に作図された図形になんの影響ももたらしませんでした。 QCad 2の画層属性変更はその画層にある、「ByLayer」属性で設定された図形すべてに影響を与えます。 QCad 1からQCad 2への移行するときに古い図面の図形属性が最早適切でないということが分ると思います。 「画層で」属性に設定することを薦めます。 それをするためには、変更メ ニューから属性を選びます。次にすべての図形を選び、「続行」ボタンをクリックします。図151で示されているように ダイアログで「画層で」に属性を変えます。 図151: すべての属性を「画層で」に変更。

32.7. 図面単位

QCadは長さおよび角度のための様々な単位をサポートしています。 これは異なった専門の技術者が異なった方法で数を表記するためです。 QCadは長さおよび角度を表示するための最も一般的なフォーマットをサポートし、要求されるように精度を調整できるように考慮されています。 図面単位変える方法を知るには図面設定の章を参照してください。

サポートされた長さ単位 メートル単位

オングストローム(10 E10m)、 ナノメーター(10 E-09m)、 ミクロン(10 E-06m)、 ミリメートル(0.001m)、 センチメートル(0.01m)、 デシメートル(0.1m)、 メートル(1m)、 デカメートル (10m)、 ヘクトメートル (100m)、 キロメートル(1000m)、 ギガメートル (10 E06m)

英国単位

マイクロインチ(1/1の000の000インチ)、 ミル(1/1000インチ)、 インチ、 フィート(12インチ)、 ヤード(3フィート)、 マイル(1つの760ヤード)

他の長さの単位

アストロ (1.49600 * 10 E11メートル)、 光年(9.4605 * 10 E15メートル)、 パーセク(3.0857 * 10 E16メートル)

長さの表記形式 すべての長さ形式

小数(例えば3.5) 科学(例えば3.5E+01) 分数(例えば3 1/2)

インチ長さの形式

工学(例えば2 ' - 3.56 ") 建築(例えば2 ' - 3 5/64 ")

サポートされた角度単位

度(完全な円= 360°) ラジアン(正円= 2 ¶) グラジアン(正円= 400g)

角度の表記形式

十進法の度(例えば36.26°) 程度/分/秒(例えば36°15'24 ") ラジアン(例えば0.785r) グラジアン(例えば100g)

32.8. 文献目録

DXF http://www.autodesk.com/techpubs/autocad/acad2000/dxf Autodesk DXFの参照