ネットにおけるマンネリズム

白状すると私は日本のネットの動向に疎い。俗に言う「アルファブロ ガー」のブログはほとんど読んでいないし、2chも読まない。ついでに言 うとWinnyも使ったことがない。ちなみに読まないのは読みたくないとい うことではなく、私の性格から言って一度読み始めたらハマって際限無く 時間を食われるのが目に見えているからだ。

なので、/.Jでこのところ散見される「一方○○(国名)は〜」とか「そ れ何て〜?」といった独特の言い回しが何に由来しているのかしばらくさっ ぱり分からなかったのだが、ふと思い立って調べてみたらほとんどが2ch 由来か、いずれにせよどこかにオリジンのある言い回しの借用らしいこと が分かった。ちなみに「一方ロシアは」と来たら「鉛筆を使った」と続く ものだとばかり思っていたが、どうやら同じ出だしだ が続きは違うジョークの系譜もあるらしい。

こうしたミームというかクリシェが流行るのはもちろん日本固有の現 象ではなく、例えば本家/.にもあ る。「Netcraft confirms it: [何か終わっているソフトウェア] is dead」が一番有名か。

個人的には、自己表現の一部にコピペを持ち込むというか、コピペを 借用して自己表現するというのが感覚としてよく分からない。こうしたク リシェを使うことが「俺は分かってるんだぜ」という一種の符丁、あるコ ミュニティへの帰属を示す目配せになっているというのは分かる。しかし、 例えば2chのクリシェを/.Jで使うというのはこの枠組にはうまく収まらな いし、意味がうまく解釈できない。表現が定型化しているというか、ある 様式でしか自己表現できないということの現われのようにも思える。

おそらく私自身にできるだけ他人と同じことをやりたくないというオ ブセッションがあるからピンと来ないのだと思うのだが、例えばコピペを 貼ると言う行為そのものって当人は楽しいんですかねえ。