米Microsoft、CoreCLRを利用するPython実装「Pyjion」を公開

 米Microsoftが.NET Coreで使用される.NET実行エンジン「CoreCLR」を利用したPython実装「Pyjion」を公開した。JIT技術を利用して処理の高速化を図っており、CPython拡張モジュールをそのまま利用できるという特徴も持つ。

 PyjionはPython 3系に対応するPython実装。PythonのC実装であるCPythonにJIT機能を利用するためのC APIを追加し、CoreCLRベースのJITモジュールを組み込んでいる。CPythonをベースとすることでCで作成されたモジュールとの互換性を維持でき、モジュールを再実装することなしに既存コードを活用できるという。

 同じく高速性を目指したPython実装には「PyPy」があるが、PyPyはCPythonのC拡張モジュールをネイティブサポートしない。これはC、C++、Fortranなどの言語が多く存在する学術用途では問題になっているという。また「Pyston」については、CPythonにJITを付加するというアプローチは同じだが、PystonはPython 2.7系をターゲットとしているなどと違いを説明している。

 PyjionはGitHubのページより入手できる。ライセンスはMIT License。CoreCLRのビルドにはGit、CMakeが、CPythonのビルドにはGitとTortoiseSVN、それにVisual Studioが必要。

Pyjion
https://github.com/Microsoft/Pyjion