「Linux Mint 17.1」が登場、MATEではCompizをサポート

 Linuxディストリビューション「Linux Mint」開発チームは11月29日、最新版となる「Linux Mint 17.1」(開発コード「Rebecca」)をリリースした。ポイントリリースながら多くの機能強化が加わっている。

 Linux Mintは「モダンで洗練されたOS開発」を目標とするプロジェクト。Ubuntuをベースに独自のカスタマイズを加えているのが特徴で、プロジェクトでは「Windows、Mac OS Xに続いて3番目に広く利用されている個人用OS」としている。デスクトップ環境としてはGNOME 2をベースとした「MATE」と、GNOME 3をベースとした「Cinnamon」の2種類が利用できる。

 Linux Mint 7.1は5月末に公開されたバージョン17に続く最新安定版となり、2019年までサポートされる長期サポート版(LTS)となっている。Linuxカーネルはバージョン3.13で、Ubuntu 14.04(開発コード「Trusty Tahr」)をベースとしている。

 MATE版およびCinnamon版共通の特徴として、アップデートマネージャの強化がある。ソースパッケージ情報に基づきパッケージをグループ化するようになり、アップデートは個々のパッケージではなく複数のパッケージで構成されるソフトウェアアップデートとして表示される。関連するすべてのパッケージのアップデートがまとめてユーザーに提供されるため、アップデートが容易かつ適確に行えるという。アップデートマネージャではカーネルセクションも強化し、既知のセキュリティ修正のレビューなどを把握しやすくした。

 言語設定画面、ログイン画面も改善した。ログイン画面ではシステム環境設定関連が再デザインされたほか、セキュリティ対策のためにセッションアウトプットの上限を200KBとし、フィルタリングも導入している。

 このほか、pastebinコマンドの導入やsearchコマンドおよびaptコマンドの改善も行われた。また、アートワークではデフォルトでNotoフォントを利用するようになり、中国語、日本語、韓国語(CJK)のサポートや見栄えが向上したという。また、「Mint-X」テーマは青、茶色、オレンジなど合計9色が用意された。ディレクトリを右クリックして簡単に色を変更できるなどの改善も加わっている。

 MATEはバージョン1.8となり、新機能としてCompizサポートが加わった。デフォルトでサポートするウィンドウマネージャーとしてMacroに加えてCompizが利用できるようになっている。なお、Bluetoothのサポートはデフォルトではなく、bluemanパッケージをインストールする必要がある。

 Cinnamonはバージョン2.4となり、デスクトップ体験をよりスムーズにするよう改善が加えられた。メモリ利用量の削減や、ズームアニメーションやログイン時のサウンドなどの洗練が行われているという。タッチパッドのサポートでは、2本指、3本指でのクリックを設定できるようになった。

 このほか、テーマ設定、Nemoツールバーなども改善されている。キーバインディングの変更や、VLCでのDVD再生サポート強化、HiDPIの自動検出、EFIサポートなども加わっている。

 Linux MintはプロジェクトのWebサイトから入手できる。

Linux Mint
http://www.linuxmint.com/