米Yahoo!、JavaScriptライブラリ「YUI」の開発を打ち切りへ

 米Yahoo!のYahoo! User Interface Library(YUI)開発チームは8月30日、HTMLインターフェイス作成のためのJavaScriptライブラリ「YUI」の開発を打ち切ることを発表した。JavaScriptを取り巻く環境やトレンドの変化を考慮しての決断と説明している。

 YUIはJavaScriptおよびCSSから構成されるユーザーインターフェイス構築のためのライブラリ。スピード、包括性などを特徴とする。開発者はこれを利用してリッチなWebページを作成できる。Yahoo!社内では2005年から開発と利用が始まっており、2013年2月にオープンソースで公開された。

 今回の決断の背景として、YUI開発者は技術トレンドの変化を挙げている。JavaScriptを中心としたWebアプリケーション開発業界はサーバーサイドJavaScriptなどの新しい方向に向かっており、YUIのような大規模なJavaScriptライブラリへの関心が薄れているという。また、npmやbowerなどの新しいパッケージマネージャやGrunt、Broccoliなどのビルドツール、React、Ember、Angularなどのアプリケーションフレームワーク、Mocha、Casper、Kramaなどのテストツールを組み合わせてアプリケーションを作成するのがトレンドとなり、YUIのように包括的なツールに対しては囲い込みへの危惧から敬遠されているという。

 YUI開発チームによると、このところ問題の報告やプルリクエストの数は減少しており、多くのYUIモジュールにはアクティブなメンテナが不在という状況だという。

 今回の開発打ち切りの決断はこのような現状を受けてのもので、チームは今後新しい技術にフォーカスするという。YUIの開発は今後、Yahoo!にとって重要な修正が中心となり、リリースは少なくなり、間隔も大きくなると警告している。

YUI
http://yuilibrary.com/